TOPs細胞提携医療機関様情報共有会 2022年3月 レポート2 – CPC株式会社

2023年4月17日

TOPs細胞提携医療機関様情報共有会 2022年3月 レポート2

当社では、TOPs細胞を治療にご活用いただいている先生方向けに、年に数回、情報共有会を開催しています。2022年3月に開催された情報共有会については2回に分けてレポートが配信されましたが、今回はその(2)として「幹細胞点滴治療の手応え・可能性」、「整形領域での再生医療を組み合わせた治療」の内容について、ご紹介します。

      

——————————————————————-

幹細胞点滴治療の手応え・可能性

——————————————————————-

●幹細胞点滴治療の慢性疼痛への実際の効果についてどう感じているか。

整形外科医 寺尾医師

神経原性疼痛に対して著効すると感じています。幹細胞投与により、神経から直接出る痛みが取れるというメカニズムなのかなと思って実施しています。

症例としては、5年間腰痛を患っていた患者様が点滴1回で改善した方もいらっしゃいます。

また、脊柱管狭窄症の方で腰痛・下肢痛・跛行が見受けられた方も点滴1回で改善してゴルフをしている方もいらっしゃいます。

基本的に幹細胞点滴治療には害がないため、腰痛関係、神経、器質的な疾患がほとんど見受けられないにもかかわらず症状としての痛みが強い方に効く印象があるので、積極的に提案しています。

関節内では血管が乏しいため局所投与では届きにくい滑膜炎・滑液包炎併発している方に対しても、幹細胞の効果を届かせるために点滴を合わせるというのも一つの手であると感じています。

また、健康に気を使いたい方や、局所への投与は痛みが強いので痛いのが苦手な方には、点滴自体は使い勝手が良いと感じています。

●点滴投与の可能性について。

形成外科医 辻医師

安全確保法施行前はアンチエイジング、男性機能復活、不眠、潰瘍性大腸炎などの免疫系疾患には特に良く効くと実感していました。

静脈投与は直接投与しにくいところにも届くので、今後は幅広い疾患で応用できると感じています。

       

———————————————————

整形領域での再生医療を組み合わせた治療

———————————————————

●整形外科疾患の患者様は国内全体として多く、変形性膝関節症には幹細胞治療はよく効く印象がある。一方、肩や股関節のような複雑な構造をしている関節は、局所投与だけで効果を出すのは難しいイメージがある。その中で、再生医療を組み合わせた治療についてどう考えているか。

【点滴+局所投与の組み合わせについて】

整形外科 寺尾医師

肩・股関節は患者様が増加していますが、幹細胞治療に対して比較的成績が良いと感じています。

病態の把握がしっかりできると、どこを治療対象として考えるのかによって投与する場所が変わり、さらに+αでリハビリをしっかり入れると効果が高まります。

肩は非荷重関節のため、腱板も含めて痛みの症状が非常に取れやすいと感じます。

股関節に関しては臼蓋形成不全のような元々の不安定感を消すのは完全には難しいですが、痛みが取れて動かせるようになるレベルならしっかりとした変化が出ます。

そのため、局所投与だけでも目指せる部分もあります。

しかし、局所投与と点滴投与を合わせて悪いことはないため、コストに問題がなくやれることは全部やりたい方は両方合わせるのが良いと思います。

リハビリも積極的にやることで、成績を上げられます。

【培養上清やPRPとの併用について】

整形外科医 寺尾医師

培養上清液、PRPとの組み合わせについては悪いことはありませんが、治療効果はまだはっきりしたエビデンスがありません。局所投与後、+αで培養上清点滴後リハビリを組み合わせることで、動かしたところにホーミングさせるといったことも考えられます。

現時点では何が正解かをはっきり言えない状態ですが、+αでの治療で悪いということはないと思います。

        

————-

編集後記

————-

このたび初めての意見交換会を開催させていただき、TOPs細胞を治療にご活用いただいている先生方にご参加いただきました。活発にご意見を交換してくださり厚く御礼申し上げます。

ご参加いただいた先生から、今後もこのような会を続けていってほしいとの言葉をいただきました。また、細胞培養室では品質のアップデートを常に念頭におき取り組んでおりますが、今回の意見交換会のなかで、実際に治療にあたる先生方から「細胞の質がすごくよくなっていることを感じる」と言っていただき、非常に嬉しく感じました。

こういった意見交換会を通じて、幹細胞治療に対しての共通の基準認識ということができれば、公にしなくても一定の基準をもとにディスカッションできるのではないかと感じています。今後もTOPs細胞治療の標準化、基準作りを多くの医療機関様としていきたいと希望していますので、何卒よろしくお願い申し上げます。