2023年3月15日
TOPs細胞提携医療機関様情報共有会 2022年3月 レポート1
当社では、TOPs細胞を治療にご活用いただいている先生方向けに、年に数回、情報共有会を開催しています。2022年3月に開催された情報共有会については2回に分けてレポートが配信されましたが、今回はその(1)として、「患者様へのアプローチ」、「幹細胞治療の効果が見えやすい疾患」、「細胞の品質」といった内容について、ご紹介します。
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患者様へのアプローチ
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●幹細胞治療はどのような患者様に提供するか、トラブルを避けるためのポイント
整形外科医 寺尾医師
幹細胞治療に対し過度な期待を寄せている患者様には、治療自体をまずは理解してもらうことが大事です。
損傷や欠損が元の状態に戻るなど全てが完治するようなイメージを持ち、過度の期待をしてしまっている患者様には、人工関節を勧めることもあります。
患者様が治療に対して期待していることと、実際に治療によって実現可能なことに齟齬がある場合は、無理に治療を受けてもらわないようにしています。
●保険診療と比較すると高額な自費診療費用について、患者様への伝え方で心がけていること
整形外科医 寺尾医師
医学的な効果を説明した上で、「自由診療のため保険と比較すると費用はかかります。費用対効果のバランスで検討してください」と案内をしています。
変形性関節症に対する人工関節等の手術の一歩前の治療法として保険診療の中では現状あまり良い治療がないため、少しでも可能性があるならと受け入れてもらえることが多いと感じます。
同意を頂く前に患者様が腹落ちするところまでしっかり情報提供をしています。説明においては、保険診療よりもさらに真摯な態度が必要と感じています。
●皮膚科・形成領域の治療である皮膚と頭皮の局所投与は美容医療を実際に受けてきた患者様の期待値も高い。
自由診療での治療法も多く存在する中、さらに高額な幹細胞治療への満足度はどうすりあわせるか。
形成外科医 辻医師
幹細胞以外の治療法として皮膚のシミにはレーザー、ほうれい線にはヒアルロン酸投与など、効果的な他の治療法があります。
しかし、肌の質感については、他の治療法では達成できないものが、この治療法により得られると感じています。
写真などの客観的な評価は簡単ではありませんが、患者様ご自身が感じられる満足度は悪くないと思います。
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幹細胞治療の効果が見えやすい疾患
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●毛髪
形成外科医 辻医師
幹細胞での毛髪治療は、客観的にわかるくらい髪の毛が増える症例も多くあります。
●皮膚
形成外科医 辻医師
水分含有量などにより、再現性がある写真が撮りにくく患者様ご自身の満足度で評価するしかありませんが、結果としては悪くないといえます。
今後の美容医療の新しいオプションになるという期待がもてます。
●リンパ浮腫
形成外科医 井上医師
痛みの部位がはっきりしていれば、幹細胞を1千万個ずつぐらい局所へ投与すると、直後から楽になることもあります。
帰りのエレベーターで効果を感じている人もいる位です。
8人中6人がこの経過で、効果の持続期間も少なくとも2年以上続いており長いと感じています。
●動脈硬化
血管外科医 K医師
動脈硬化については、潰瘍と疼痛の改善がみられた方がいました。また、副次的効果として血液中のHbA1cや血圧が下がることを経験しています。
●股関節
形成外科医 T医師
股関節の治療成績はすごくいい印象です。杖を使っている方が投与後2日目に坂道を歩けるようになった症例もありました。
当院では幹細胞投与後のリハビリを積極的に行っています。
爪の状態や歩き方が股関節の悪化につながっていると考えられるため、患者様に合った靴のインソールも細胞治療の一部として実施しています。
治療においても工夫していくことが効果につながっていると考えています。
形成外科医 辻医師
関節の場合は細胞を入れるだけでなく、関節を関節たらしめないと治らないと感じます。
関節としての動きをしなければいけません。アライメントを整えることが重要だと思います。
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細胞の品質 ~凍結と非凍結、培養と非培養(SVF)~
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●凍結と非凍結、培養細胞と非培養(SVF)、それぞれの違いの実感について
整形外科医 寺尾医師
<培養と非培養>
SVF治療は、現在治療で用いている非凍結培養幹細胞(TOPs細胞)治療と比較すると脂肪採取量が桁違いに多いです(弊社のTops細胞は0.2cc(非凍結幹細胞の中でもかなり少ない脂肪量で培養が可能)、SVF治療は300㏄程度必要な場合もあります)。また、非培養なため出来上がった細胞数も少なく、患者様の身体的負担が大きい割には治療効果としての反応が弱い気がしています。
<凍結と非凍結>
凍結幹細胞は治療に用いる際に解凍という段階が必要になりますが、解凍直後の細胞は、投与時に痛みが強く出ている場合が多いと感じます。そうすると、細胞治療との相乗効果のため重要となるリハビリが難しくなります。リハビリは細胞治療においては必須条件です。邪魔する要素はなるべく省きたいものですが、凍結幹細胞の解凍直後は、死細胞が多く、炎症を惹起してしまっていると感じています。
結論としては、現在治療に用いている非凍結幹細胞(TOPs細胞)が、患者様に対して低侵襲であり臨床経験上一定の効果が期待できると感じているので、ベストな治療法だと思っています。
今号では以上です。続きは、その(2)でご紹介します。