2022年2月15日
辻晋作医師 幹細胞治療を導入する利点・CPC㈱の細胞培養へのこだわりと医療機関へのサポート
今回は、当社の事業本部長で多数の幹細胞治療の臨床経験を持つ辻晋作医師より、幹細胞治療を導入する利点、当社の細胞培養へのこだわりについてご紹介いたします。
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幹細胞治療を導入する利点
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前回のコラムでは、私の幹細胞治療との出会いや、極めていくきっかけについてお伝えいたしました。今回は、医療機関が幹細胞治療を導入する利点について分野ごとにお話したいと思います。
まず、整形外科分野で導入する利点は、患者様へ新たな選択肢を提供することができるという点です。特に変形性関節症の治療において、ヒアルロン酸注射では効果が感じられない場合、次の選択肢は手術になってしまいます。しかし、幹細胞治療を導入することにより、患者様にヒアルロン酸注射と手術の間となる新たな治療を提供することができるのです。
皮膚や毛髪などの美容医療分野で導入する利点は、整形外科分野と同様に患者様に新たな選択肢を提供できるという点です。美容医療施設で毛髪や皮膚の治療を受けている患者様の中には、常に上のクオリティーを求めている方が多くいらっしゃいます。そのような方々に対して内服治療やPRP療法を超える、現在における最上級の治療を提供することができます。
脳神経系分野であるALSや脳梗塞後遺症などの疾患や障害では、幹細胞点滴が唯一の治療であり、他に治療法がないため幹細胞治療を導入することは大きな利点となります。
また、医療施設にとって経済的な面でも利点があります。
先に述べた通り、幹細胞治療は新たな治療であり、分野によっては最上級の治療となります。一見するとハードルが高いように感じるかもしれません。しかし、細胞培養を委託する方法を取れば、大きな設備や高価な機材などを必要としないため、書類申請のみで導入することができます。莫大な初期投資や維持費をかけることなく患者様に提供することができるのです。
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CPC㈱の細胞培養へのこだわりと医療機関への治療サポート
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我々が患者様の幹細胞を培養する際に大切にしている信念があります。
“細胞1つ1つは患者様そのものであり、入院患者様を診ているのと同じ感覚で培養を行う”ということです。培養士にも、医療従事者であるという自覚を持って日々の業務に取り組むよう伝えています。
また、幹細胞培養についても幾つかのこだわりを持って、行っています。
1つ目は、生細胞(非凍結)であることです。凍結・解凍は細胞へのダメージが強いため、再培養後に非凍結で医療機関にお届けすることで品質の保持をしています。
2つ目は、少ない組織(米粒2~3粒程度)から約1億個の幹細胞を培養するということです。これは、脂肪採取時の患者様の身体への侵襲をできるだけ軽くするための工夫です。
3つ目は、幹細胞培養時に使用する培地を常に比較検討し、最善な培地を選択しているということです。これによって幹細胞の質をより高めていくことを実現できています。
当社は再生医療に精通する医師が所属しているため、治療のサポートを行っていることも特徴のひとつです。幹細胞の投与量や投与方法、副作用についても、治療の詳細についてアドバイスすることができます。現在も受託医療機関様への治療サポートは潤沢に行えています。
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最後に
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医療は患者様の手の届きやすいところにあるべきです。しかし、現状ではまだ幹細胞治療はそこに至っているとは言えません。どんなに良い治療であったとしても、それではあまり意味がありません。我々は、幹細胞治療を行う施設を増やし、一人でも多くの患者様に、良質で・負担の軽い・信頼される幹細胞治療をお届けすることを目指しています。
【辻晋作医師プロフィール】
医学博士 / 日本専門医機構認定形成外科専門医
日本再生医療学会再生医療認定医
経歴
東京大学医学部 卒業 / 帝京大学医学部形成外科 / 埼玉医科大学形成外科
東京女子医科大学非常勤講師 / アヴェニューセルクリニック