TOPs®細胞提携医療機関様情報共有会 2024年9月 レポート2 – CPC株式会社

2025年3月14日

TOPs®細胞提携医療機関様情報共有会 2024年9月 レポート2

CPC株式会社営業部です。

今回は2024年9月にオンラインで開催された情報共有会での講演をご紹介いたします。

情報共有会とは、当社の取り組みの一環として、TOPs®細胞治療をご活用いただいている提携医療機関様同士での意見交換会です。今回もTOPs®細胞治療の症例や、再生医療の最新情報など、活発に意見交換が行われました。

この情報共有会の模様を、前編・後編に分けて特集しております。

後編は提携医療機関である𠮷川病院の黒田 隆先生のご発表についてご紹介いたします。

 

~大腿骨頭壊死症における幹細胞治療の試み~

𠮷川病院 黒田 隆先生

大腿骨頭壊死症における再生医療の現状と、𠮷川病院での大腿骨頭壊死症における TOPs®細胞治療についてご講演いただきました。

 

≪発表内容≫

■大腿骨頭壊死症について

国の指定難病であり、近年では芸能人が罹患することで大きく報道されています。体表では太ももの付け根、鼠径部に位置し、大腿骨の上端である球状の大腿骨頭に十分な血流が届かなくなることで潰れ、強い痛みや骨の変形を引き起こします。飲酒やステロイド治療は大腿骨頭壊死症のリスク要因の一部であることが知られています。COVID-19重症肺炎患者増加により、ステロイド治療が行われましたが、その影響から、大腿骨頭壊死症の患者は世界的に急増し、数年後には数千万人ほどになるのではないかと懸念されています。大腿骨頭壊死症に対する治療法としては人工股関節置換術(THA)がよく行われています。THAは感染症や脱臼のリスクや、治療直後のスポーツ制限があり、さらに人工股関節の対応年数が20~30年のため再手術を必要とするため、できるだけ股関節を温存するために再生医療が期待されています。

 

■𠮷川病院での大腿骨頭壊死症におけるTOPs®細胞治療について

𠮷川病院は京都大学の門前病院として、大腿骨や膝関節の人工関節置換術を中心に治療を行い、年間700件以上の手術実績がございます。黒田先生は非常勤として𠮷川病院に勤務されています。

初めに、黒田先生が行われた医師主導治験や開発された手術デバイスについてお話がございました。

現在𠮷川病院で行われている大腿骨頭壊死症における再生医療は、骨穿孔術をベースとし、TOPs®細胞、成長因子、そして人工骨を用いた治療方法であり、具体的な治療の流れや臨床成績についてお話いただきました。 2023年7月から開始された15人21関節の症例に関してご紹介いただき、現在良好な経過であることをご報告いただきました。

 

≪質問応答≫

脂肪幹細胞を使う意義から、提供している価格まで、基礎研究的な内容から臨床に関するところまで幅広いご質問をいただき、非常に活発な議論が交わされました。

 

≪情報共有会でのご講演を振り返って≫

黒田先生より「たくさんの先生方にお聞きいただき、光栄です。外科的治療を伴う再生医療を安心、安全に提供できるようがんばりますので、よろしくお願い申し上げます。」とのコメントをいただいております。

 

前編に引き続き、情報共有会の模様をご紹介いたしました。

情報共有会では、ご講演に加え、再生医療に関するお悩みなど様々な議題について意見交換を行う時間も設けております。ご参加いただいた提携医療機関様からは非常にありがたいお言葉をいただくことができ、非常に充実した会となったことを実感しております。

当社では、今後も継続的に情報共有会を開催し、再生医療に関する最新情報や、TOPs®細胞治療の症例報告などを共有することで、提携医療機関様に少しでもお役立ていただける場を提供してまいりたいと考えております。